またIndyCar Seriesの話です。佐藤琢磨がまたもや素晴らしいレースを見せてくれました。一度優勝したドライバーは急激に強くなる傾向にあるのですが、琢磨もそうだったようです。今回もロードコースとなるサンパウロは得意としているコースでしたが、車のセッティングがうまく決まらず予選では12位でした。それが、レース開始直後に2台抜き、その後もA.J.FoytのNo.14は順調に追い上げていつの間にかラップリーダーに。ところがその後のコーションで、チームは中途半端なタイミングでピットインさせるというミスを犯し、20位まで落ちました。もし、このまま走りきれるのなら問題ないのですが、そんなわけもなく次のコーションで皆と一緒にピットインしました…。それが75周のレースの37周目。
燃料は25周程度しかもたないので、もう一回ピットインしないとダメ。つまり、ピット回数を減らしたりタイミングをずらしたりして他を出し抜くという策がなくなったのです。それから15周後にまた事故でコーションとなり、皆が一斉にピットインします。無論、No.14も。ここで謎の現象が発生。18位かそこらを走っていたはずなのに、4位で復帰したのです。このコーションの前にピットインした車があったり、クラッシュがあったりして6位でピットインしていたとか。LTではずっと下位にいたんだけどな…。ピットで順位を上げた理由は、タイヤ無交換作戦にありました。燃料を入れただけなので他より早く復帰できたんですね。その結果、38周を柔らかい方のタイヤで走ることになりました。半分以上を柔らかいタイヤで、無茶すぎです。
で、琢磨はその後もバトルをしてまた首位に立ってしまいます。これは、最後の5周でコーションにならない限り勝てるわけないと思いました。いや、残り10周以上残してニューガーデンが迫ってきた! 初優勝を狙って攻めてきます。Indyの車にはPush To Pass(PTP)というボタンがあります。これを押すと10秒間パワーが増して加速が良くなるのですが、使用回数に制限があります。で、この時点で琢磨のPTPは残り3回。ニューガーデンは5回。不利です。なのに、いいブロックラインを走って凌ぎきります。二人ともPTPは残り1回。残り周回数は4。ここでPTPを4回残していた
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