F1で7回のワールドチャンピオンになり、2006年に引退したミハエル・シューマッハ。それが今年突然復帰したわけですが、この3年間で車の設計に関するルールが激変したこともあり、チームメイトのニコ・ロズベルクに劣る結果が4戦続いていました。しかも、前戦上海GPではセットアップが決まらず、雨で荒れたレースの中何台にも抜かれて10位という結果でした。その時、ニコは2位。優勝経験のない若者に惨敗したということで、世界のマスゴミが騒ぎました。
それから2週間。車の改良が行われました。この変更はミハエルの好む特性に近づくとされ、昨日のスペインGPが試金石となったわけです。予選でミスをしながらもニコを上回る6位となり、決勝では対照的な結果に。スピードが得られず、タイヤを余分に交換する羽目になったニコが11位となった一方で、ミハエルがピットストップの綾で昨年のチャンピオンであるバトンを追い抜きます。これで5位。バトンの車の方が一周1秒は速いという状態で、ミハエルは見事なブロックを20周以上続けました。クリーンなブロック。試行錯誤するも抜けないバトン。確かに追い抜きにくいコースなのですが、それにしても。結局、バトンは引き離されるという大失態を演じます。そもそもその程度の評価しかされていないドライバーでしたが、相変わらずだなと多くの人が思ったことでしょう。最終的に他者のリタイアもあって、ミハエルは4位となりました。そう、上海の時と正反対になったのです。ニコもミハエルもいい結果になるべきなのに、ならない。ドライビングスタイルがまるで違うということなのでしょう。いやはや。
非力な車で逃げる7回の王者と、圧倒的に速い車でそれを抜けない現役王者。ほんと、昨年のシーズンはホンダ設計の車が速かっただけなんだなと再確認できたレースでした。
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