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(13/Aug/2021)

冷たい雨の夏休み

 今週は夏休みを取りました。緊急事態何とかはどうでもよく、外出しようと思えば雨だらけ。暑いのは困りますが、涼しくなり始める始末。秋雨前線が張っているそうじゃないですか。夏の終わりを迎える、気分の乗らない夏休みとなってしまいました。

 報道はコロナコロナと五月蝿く、パラリンピックは中止にするんじゃないかとすら思えます。世間なんぞ利権ピックの方にしか興味がないでしょうからね。パラリンピックこそ障碍者の生きがいを生み出すきっかけとなる必要不可欠なの物なのに。


(14/Aug/2021)

兵どもが夢の跡となるか

 ソーシャルゲーム「ウマ娘」の評判が悪化しています。その主な理由は3つ、「ユーザーインターフェースの不便さ」「育成繰り返しが必須のゲーム設計」「課金してもし足りない渋さ」です。総じて飽きに繋がるもので、100万円オーダーでつぎ込んだ人(金持ちですねえ)が辞めてしまっているようです。

  1. ユーザーインターフェースの不便さ
  2.  いくつも言われています。その内の一つは育成したウマ娘の管理に関するものです。同じウマ娘でも育成の仕方によって強さや性質が異なることと、後述する「継承」という概念があることで、同じ名前のウマ娘を何人も複製することになります。プログラミング言語で言えばクラスのインスタンスをたくさん作るようなものです。最大200人までストックできますが、その管理が面倒なのです。削除禁止のロックだけで、分類ができません。4つくらいフラグを用意してくれれば性質や用途別の管理が楽になるのです。1000万人分用意しても数GBなのですが実装する気はないようです。

  1. 育成繰り返しが必須のゲーム設計
  2.  5月から対人戦が毎月開催されるようになり、各自がウマ娘の育成に工夫を凝らすようになりました。育成を有利にする要素の一つに「継承」というものがあります。育成したウマ娘はその育成過程と運によって「因子」が付与されます。新たにウマ娘を育成する際には親に相当する育成済みウマ娘を2人設定しますが、競馬ゲーム「ウイニングポスト」と同じで親が持つ因子の強さが子の強さに影響します。これが継承。厳密に言うと2代前までの因子が影響します。強く育成できたウマ娘が強い因子を持つとは限らず、因子の強さは完全に運で決まります。よって対人戦で勝てるようなウマ娘を育てるには、強い因子の親ができるまで育成を繰り返す必要があるという滅茶苦茶な設計なのです。私の場合は強い因子が35回に1回出る程度。人によっては100回なんて場合もあるようです。一回の育成は最短30分なので飽きるに決まっています。それに加えて育成途中には、元ネタのゲーム「実況パワフルプロ野球」と同じで運によって状態悪化が発生するのでうんざりさせられます。

  1. 課金してもし足りない渋さ
  2.  今はこれが一番問題視されていると思います。所持しているウマ娘やサポートカード(育成に大きく影響するアイテム)は皆異なります。ウマ娘とサポートカードが欲しければゲーム内アイテムのジュエルを使って「ガチャを回す」必要があります。ジュエルはゲームで徐々に溜まりますが、さっさとガチャを回したい人は本当のお金でジュエルを購入します。これが課金要素なのでゲーム内でもらえるジュエルは渋くなっています。ガチャはウマ娘とサポートカードともに1回につきジュエル150個(概ね300円に相当)が必要ですが、時々もらえるジュエルは10個や20個なのでなかなか溜まりません。利用者が一定数を超えるなどの記念やゲームイベントである程度配布されますが、特に最近は実に渋い。間もなく迎えるサービス半年記念でも期待できないようです。

     ガチャというのは籤引きです。レア度が高いウマ娘とサポートカードはそれぞれ当たる確率が3%。今3%の枠にいるウマ娘は30人で、内1人は期間限定で0.75%に設定されているため、29人で2.25%を分け合う即ち一人当たり0.078%という状況です。ウマ娘は2週間程度で増える(ただの衣装違いというのも含まれます…)ので、ぎゅうぎゅう詰めになるわけです。新規顧客は例えばナリタブライアンが欲しいと思っても0.078%を拾いに行かないといけません。この設定は頭がおかしい。レア度の低いウマ娘の方が16人と少ないんです。サポートカードも事情はほぼ同じです。サポートカードは高性能なものが3%の枠内に詰め込まれていて、更に同じカードを5枚手に入れて「重ねる」という行為をしないと十分に能力を発揮できません。せめて3枚は必要なので0.1%未満の3乗、その逆数がガチャ回数の期待値ということで、数万円つぎ込んだ程度では焼け石に水です。そのため私は課金を思い留まり無課金のままです。

 これを考えるとPS3で基本無料として4年半稼働したAce Combat Infinityはよくできていました。遊ぶ回数を増やしたければお金を払ってねという形で、遊ぶ回数が増えればそれだけ強い戦闘機を手に入れられるようになっていました。無料でも問題なく遊べて賑やかしとしての役割を果たせるものでした。腕前で課金者と渡り合うことも可能です。ウマ娘は課金の桁がおかしいのに運要素を強くし過ぎているため、数万円課金した人のウマ娘が無課金者のウマ娘に運で負けることがあります。廃課金者でないと圧倒的な強さというのは示せません。いい加減、少数の廃課金者からむしり取る設計を見直して多くの微課金者を定着させる方針にしないと崖のように人が減ることでしょう。

 個人的には毎月のイベントにも大きな不満があります。そこで登場する「別衣装ウマ娘」というのが、元の馬の要素を排除してしまっているのです。その結果コスプレダービーなんて言われています。マルゼンスキーとスペシャルウィークに至ってはビキニ水着。水着でレースに出るって痴女じゃないですか。夏は水着というのがオタク御用達のソーシャルゲームのお作法だそうです。イベントは1年前に用意していたらしいので、顧客層を読み違えたのでしょう。このゲームは競馬やスポ根アニメから入った人が少なくないので、私のようにソーシャルゲームに縁がなかった人が結構いるんです。

 極限まで削ぎ落した遊びの幅に鬼が宿る。王者である自身の永続を阻んだ、暗黒のブレイカー。ヒーローか、ヒールか。奇跡か、悪夢か。そのゲームの名は…ウマ娘。


(23/Aug/2021)

無事開幕

 パラリンピックが開幕しました。糞政府が中止判断をするのではないかと危惧しておりましたが、大丈夫でした。どうやら、「障碍者に感染の恐れがあるから中止すべきだ」という意味の分からない主張をしている糞演出家みたいなのもいるようですが、そんな人でなしは大勢ではなかったということでしょうか。彼は自分自身が死にかけたからか、障碍者を病人と勘違いしているのでしょう。酷い偏見です。競技者たちはあんたなんかより遥かに丈夫だわ。こういう偽善者は絶対に許せません。

 利権ピックは今やただのビジネス運動会です。各競技の世界大会も多く存在するわけで、まとめてやる意味がありません。群がる企業が不当に稼ぐだけの改悪ですよ。ねえ、コカ・コーラ。一方のパラリンピックは制限の大きい環境で生きざるを得ない人たちが、生きる意義としての目標を持つためのものです。これは家族や周囲の人にとっても暗い気持ちを振り払うために重要なことで、あらゆる人の尊厳の根幹に関わるものなのです。よくもまあ、parallel(平行)なんて失礼な名称を考えたものです。常人では真似すらできない領域なのですから「超人大会」と呼んでもいいと思います。

 利権ピックの開会式はその部分部分を一瞬ずつ見ましたが、意味のなさと気色悪さが素晴らしいものでした。あれほどの嫌悪感を生むのに150億円使ったんですか。いやいや、電通さん、本当にそうならただの無能ですよ。実情がどうであれ「自社ビルを手放すくらい経営の先行きが不透明だからチョロまかした」って言った方が信頼を失わないレベルでしょう。

 パラリンピックの開会式はテーマが明確で、演者たちの身体的特徴を活かした演出があり、布袋寅泰の曲もいいものでした。彼の良さというものを知れました。入場も品のあるプラカードとプロジェクションマッピングでいいものだったと思います。競技者を集めて雨の降る中行った長い演説は万死に値しますが。

 人は何時障碍を抱えるか分かりません。何時そういう人と関わるか分かりません。交通事故は死亡者数が年々減って3,000人程度になっていますが、負傷者数は40万人くらいです。後遺症に繋がる怪我も一定数あることが想像できると思います。そして日本の2016年の脳卒中発症者は29万人だそうです。大抵は軽重の差こそあれ、後遺症が残ることは少なくありません。脳出血に限定すると年間発症数が約7万人で年間死亡数は約3万人ですから、6割近くは生き残って「しまう」のです。完全復帰できる人もいますが、前後不覚の人も大勢います。脳がやられれば家族の負担は半端ではありません。飯を食う屍がそこにあると思ってください。そこまで行かずとも社会復帰に困難を伴う人は生きる意義を見失うでしょう。彼らの生きがいになるものの一つとして、競技があるのです。それを「醜いから見せるな」「おまけだから報じる意味がない」等と考える奴等は生きる価値ありませんよ。


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