現在蔓延している、アンプというものを舐めきった低音質携帯音楽プレイヤーiPodは著作権補償料が本体価格に乗せられていません。しかし少なくとも我が国では音楽プレイヤーに関わらず著作物を(劣化の有無は別として)コピーして保存する機器やメディアには著作権補償料が上乗せされています。機器であれば1,000円を上限として本体価格の1.5%程度が課せられるそうです。これらのお金はまあ、著作権保護団体でゴニョゴニョしてメディアや著作権者等の規模に応じて分配されるそうですが、それの良し悪しはこの際どうでもいい。問題はどんな機器でも従っているこのルールにiPodが従っていないこと。競争の原理を考えれば不当でしょ。Apple曰く「これはハードディスクのデータ保存機器だ」と。じゃあHi-MDもそうだな。で、何だい、PCとiPodを繋ぐ音楽管理ソフトiTunesと連携する音楽データ販売サイト(iTMS)が日本でも立ち上がりましたよね。これはWalkmanで言うところのmoraですよ。完全に音楽機器じゃねぇか。
そりゃね、アレは音質が酷すぎてとてもダイナミックレンジの大きいクラシックやハードロックは楽しめませんし、webで売る音楽なんざ圧縮しすぎで難聴になったかと思ってしまうようなレベルです。そのくらい音楽を冒涜していても、データに従って音を鳴らしていることには違いがないわけですからルールには従え、と。 で、ちょっと話は変わって、最近はiTMSをきっかけにレーベルを無視して「俺はネットで、っていうか人気のあるiTMSで売りたいんじゃ!」と喚いているバカアーティストが増えているようですが、そうしたいならレーベルとの契約を切るんですな。いわばインディーズ状態にならなきゃダメでしょ。メジャーになるってそういうこと。
どうも「安ければ良い」なんていう、社会の仕組みを完全に無視した勝手な消費者に乗っかっちゃう奴等がいますね。曰く「皆に聴いてもらいたい」なんて、子供かよ。単に自分の曲が売れないからおいしいところに乗っかろうとしているだけじゃないか。本当に皆に聴いてもらいたいなら無料で自分のサイトで配信しなさいよ。ハードロックバンドDreamTheaterはMIDIデータを公開したりしてます。これがまたハイレベルな打ち込みで白旗ものなんですよ。商売をしつつ、自分の音楽を聴いてもらいたいならこういうことしなきゃ。「皆、金を払って俺の熱い曲を聴いてね。ほら、(低音質で)安いでしょ?」ってのは音楽を冒涜しとるわな。
確かに、avexによる商業主義が頭をもたげてからキャッチーなだけでろくでもない音楽が増えました。それで耳の肥えていない連中が増えて、低音質データでも商売が成り立つんでしょう。この風潮に逆行するレーベルっつうかSMEを悪とする論調がwebに蔓延してますが、自分を守るのはレーベルとして当然。iTMSだって単に商売としてみた場合は善でも悪でもない。生きるための合法的手段ですからね。ただ、moraもiTMSも音楽を冒涜している。一度SACDのシステムで音楽を聴いてみてください。そこらの圧縮音源なんか聴きたくなくなりますよ。楽器の表現、空間、そして音階だけじゃなく音の強弱といったものを楽しめるんです。それが本当の音楽でしょ? ちなみに打ち込みだって空間表現できますからね。
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